ここ数年多くのメディアで取り上げられ話題となっているサウナ。このサウナブームはとどまることを知らない。
サウナに通う人のことを指す「サウナー」や、サウナに通うことを指す「サ活」をはじめ、サウナを出た後に食べる「サ飯」、サウナに行くために遠方まで足を運ぶ「サ旅」など、新しい言葉も生まれている。
サウナーの間で使われる「整う」というキーワードをご存知だろうか。サウナハイやサウナトランスという言いかたもあるが、体内の血流が良くなり、酸素が脳を駆け巡って深いリラックス状態になることを「整う」という。
サウナに入ると発汗や流血量の調整でエネルギー消費され、血糖値が下がりお腹が空きやすいといわれている。
整った後に食べる「サ飯」はサウナを楽しむ一つの要素。そこに注目して開発されたメニュー「整カリー」を徹底解明。サウナーの店主が考えるサ飯はどのようなメニューなのか。試食と取材を通してレポートする。
地域に新たな定番料理、新たなソウルフードの誕生となるか?
元祖!太郎系スープカレー「整カリー」
3月7日サウナの日
サウナ好きが生んだサ飯がデビュー
今から2年前。羅臼昆布の出汁、鶏ガラ、豚骨と野菜の出汁をベースに和の調味料とスパイスで仕上げた知床スープカレーの提供をはじめ、2日間じっくりと煮込まれた深みのある出汁でスープカレーに新しい風を吹き込んだのが多国籍料理呑食里だ。
札幌発祥のスープカレーは全国的にはあまりなじみがない。より親しみやすいスープカレーを提供すべく、知床スープカレーをベースに2022年3月7日提供をはじめたのが「整カリー」。
コロナ禍での目に見えない不安、リラックスと気持ちを整えるために本格的にサ活にはまった店主。サウナ後のサ飯としてはまったのが某チェーン店のこってり系ラーメンとライスだった。スープにのった具材を海苔に巻いてご飯と一緒に食べる、そのスタイルをヒントに整カリーの構想がスタートした。
サウナでの発汗によって消費したエネルギー、それをおいしく補えるメニューを。約一年試行錯誤が続いた。本場札幌ではスープカレー店の店主やグルメライターを招いた試食会、地元中標津でも試食会を開催。
厳しい意見に対してトライ&エラーを繰り返しながら、計6回の試食会を経て「整カリー」は完成した。
海苔に巻いて食べる新しいスタイル!
「整カリー」の調理は器を熱湯で温めることからスタートする。もやしとキャベツにラードとスパイスを加えて炒め、チャーシューの煮汁を加え、知床スープカレーのスープと一緒に温められた器に注ぎ込まれる。ねぎ、煮卵、海苔、たっぷりの背油としょうが、そして、この1杯の顔となる大ぶりのチャーシューをトッピングし、「整カリー」ができあがる。ライスにはレモンが1カット、このレモンは後に登場する。
出汁の効いたスープを一口。程よいスパイス感で、辛さはやや抑えめだが、辛さは好みで調節できる。ラーメン風の見た目ではあるが、器の底まで探り続けても麺に行きつくことはない。その代わりに、スープのうまみが絡んだたっぷりのもやしが待っている。濃いめのスープに絡んだもやしは無限に食べられるのではないかと思わせるほどに箸が進む。
店主おすすめのご飯、ねぎ、チャーシューを海苔で巻いて食べてみる。確かに旨い、が巻いて食べるには多少の技術が必要となる。スープカレーに海苔という意外な組合わせも、このスープだからこその一体感が口の中に広がり、味も整う。食べ進めると海苔が足りないくらいに欲してしまうのだ。
スープにレモンを絞ってみると、この味変がたまらない。酸味がスープに溶け込むとさっぱりと心地の良い味わいに。レモンはスープに絞るか、ライスに絞るかは今後の課題だ。
ネギマシ、チャーシューマシ、海苔マシなど、すべての具材を増すことができる。辛さも4段階調節することができるので、オリジナルを作ることも。早くもSNSなどで話題となっている「整カリー」。サウナ後に至福の整いご飯をご賞味あれ!
店舗情報
多国籍料理 呑食里
TEL 0153-79-0515
ランチ営業 11:30〜14:30
夜営業 18:00〜23:00
定休日/月曜日
標津郡中標津町東2条南2丁目 なかまっぷ1F